2010年06月16日
クロスマーケットアイ
ロイターニュース
〔クロスマーケットアイ〕踏み上げで株価1万円回復、財政懸念で金利上昇余地も
<東京市場 16日>
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日経平均 | 国債先物9月限| 国債308回債 |ドル/円(14:30) |
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10040.92円 | 140.29円 | 1.235% | 91.45/46円 |
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+153.03円 | -0.13円 | +0.010% | 91.52/56円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。
[東京 16日 ロイター] 16日の東京市場は株高/債券安。米株の反転が予想以
上に強く、日本株も売り方の買い戻しが主導、日経平均<.N225>は1万円の大台を回復し
た。ユーロをめぐる警戒感は払しょくされていないものの、短期的には、踏み上げ相場が
続く可能性がある、との声が出ている。一方、円債市場では、銀行勢の買いの勢いが鈍っ
てきている、といい、財政問題への関心の高まり次第では金利上昇圧力が強まる、と懸念
されている。
<市場心理が好転>
株式市場では日経平均が続伸し、約1カ月ぶりに1万円大台を回復した。スペイン、ベ
ルギーなどの国債入札が堅調だったことで欧州財政危機への不安が後退したことに加え、
米企業活動の回復期待が強まり市場心理が好転。前日の米株が大幅高となったほか、為替
でもユーロが上昇し、輸出株を中心に買い戻しが先行した。
「現物、先物とも売り方の買い戻しを誘うショートスクイーズが中心だ。6月のニュー
ヨーク州製造業業況指数が若干ながら上昇したことで米経済への不安も後退した。ただ、
実需の投資家が積極的に動いているわけではない。外部要因で振れているに過ぎず、国内
には株式をさらに買い上がるだけの手がかり材料が乏しい」(東海東京証券エクイティ部
部長の倉持宏朗氏)との声が出ている。
立花証券執行役員の平野憲一氏は「ユーロの債務問題は長期的な問題で解決には時間が
かかり、株式市場にとって重しとなり続ける。目に見えるプラス材料には乏しいものの、
株価自体を最大の材料として踏み上げ的に上昇していく展開となるのではないか。一方、
ユーロ債務問題の拡大にもかかわらず、世界経済は今のところ安定的な成長基調にあり、
2番底は回避されるという意識が市場では勝ってきつつある」とみている。
<4―6月期の国債積み増し、そろそろ終盤か>
円債市場は軟調。現物債は、長期・超長期ゾーンの債券需給が緩み、日本国債のイール
ドカーブは、スティープニングする形状となった。20年物国債の入札に絡んだ調整が傾
斜化圧力となった。外資系証券の関係者は「日経平均が1万円台を回復したことも短期的
な債券売りの手掛かりとなった」と話した。国内金融機関のALM関係者は「4―6月期
の国債残高を積み増しする動きも、そろそろ終わりに近づいているのではないか」とみ
る。
市場には「ドルやユーロなどのスワップション・ボラティリティが5月下旬以降、下落
基調をたどっているのに対して、円スワップション・ボラティリティーティは6月に入っ
てから反転上昇していることには注視が必要」(クレディスイス証券の河野研郎・債券調
査部長)との見方もある。
日本の来年度予算編成をめぐっては「税収の緩やかな上昇を考えたとしても、その他収
入が大幅に減少することを考えれば50兆円をやや上回る程度の新規財源債発行は不可避
だろう。44兆円以内とする菅直人首相の主張は、砂上の楼閣だ」(外資系証券)と、厳
しい声も聞かれる。
クレディスイスの河野氏は「スワップションの長い年限を中心にしたボラティリティの
上昇が、直接的にこれを意識した動きとは必ずしも言えないが、参院選に向けて財政問題
の議論が高まるにつれてボラティリティの上昇傾向は一段と強まることになりそう」と指
摘。「ボラティリティが高まる中では、今までより一段低下した低い金利レンジの形成は
難しく、調整を余儀なくされる可能性が高いのではないか」と述べる。
<長短で変わる相場観>
為替市場では、ドル/円が91円半ばで狭いレンジ取引。ユーロ/ドルも高値もみあ
い。海外市場で、1.2350ドルと半月ぶり高値をつけたことで、戻り売りを誘発した
という。「長期的にはユーロは下方向とみており、1.23ドル台では戻り売りをねらう
向きが多い。ただ、一時のようなユーロへの不安感は後退しており、大きく売り込んでし
まったあとのショートカバーが強まる可能性もある」(国内銀行)という。
ムーディーズのギリシャ格下げに関しては、シティグループやバークレイズなどが同国
債を債券インデックスから除外する用意があるとしており、市場では、「インデックスか
らの除外と上期末が重なる6月末にかけて、ギリシャ国債の売りが強まるだろう。ECB
はギリシャ国債の買い入れを加速する必要がある。これはECBのバランスシートを劣化
させ、ユーロの潜在的な売り材料になる」(みずほ証券シニアマーケットアナリスト、野
地慎氏)と、警戒する。
住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏も「ギリシャの債務リストラシ
ナリオも否定できない。ユーロは現在はショートカバーが優勢だが、長期的にみればEC
Bリスクを織り込みにいく可能性がある」としている。


